古くて新しいたからもの
(クラシックファミリーカー)
むかしからの物を大切にしているビスケットクマファミリーのたからものはクラシックカー。
お父さんのロイドやお母さんのエレナがずっと大事に手入れをしてきた車です。
でも、こまったことがひとつ。
みつごちゃんが生まれて家族がふえたので、この車に全員がのりきれないのです。
「みんながのれる新しい車にかえよう。」
ロイドたちはそう話し合って、ハスキーのお父さんのヴィンセントとお母さんのアヴリルに新しい車を作ってもらうことにしました。
ふたりはゆうめいなカーデザイナーとエンジニアです。
「どんな車がいい?」
とヴィンセントたちにきかれて、
「みんなでいつまでものれる車。」「クラシックな外見で……。」
つぎつぎとちゅうもんを出していくビスケットクマファミリー。
それをきいたヴィンセントとアヴリルは、自信たっぷりに
「まかせて。みんなにぴったりの車を作るよ。」
とやくそくしてくれました。
「新しい車は、どんな車かな?」
ビスケットクマファミリーは毎日わくわくしながらまっていたのですが、やっぱり、ずっと大切にしていたクラシックカーとのおわかれはさみしいもの。
そこで、新しい車がくる前の日。
赤ちゃんが大切にしているミニチュアのクラシックカーを家族みんなでかこんで、
「いままでありがとう。」
と、車の思い出をたくさん話したのでした。
いよいよ新しい車がくる日。
その車をひとめ見たとたん、ビスケットクマファミリーは、
「こんな車がほしかったんだ!」
と大よろこび。
その車は色も形もみんなのこのみにぴったりです。
さっそく村の中を走ってみると、
「こんなにのりごごちのいい車は、はじめて!」
「さすが、ヴィンセントとアヴリルが作った車だ!」
とみんなで大かんしゃです。
そこで、ヴィンセントがうれしそうにわらって言いました
「これはね、いままでのクラシックカーを作りなおしたんだよ。」
それをきいたロイドたちは、顔を見合わせてにっこり。
「やっぱり、うちの車はさいこう!」
とまたまた大よろこびです。
「村のみんなもさそってドライブに行こうよ。」
「みつごちゃんのはじめてのドライブだね。」
楽しみがどんどんひろがって、古くて新しいクラシックファミリーカーはずっとずっとビスケットクマファミリーのたからものです。