魔法のことばは…
(妖精の森と魔法のお城)
妖精さんの羽のカギをひろった赤ちゃんたち。
いつのまにか妖精の森にまよいこんで、
ふしぎなぼうけんがはじまりました。
でむかえてくれたのは、星の妖精さんです。
「わあ!ようせいさん!」
赤ちゃんたちが大よろこびで星の妖精さんについていくと、
宝石がかがやくどうくつのおくに、
美しいたきがありました。
たきのよこにたっている木をよく見ると、
木のおじいさんが気持ちよさそうにねむっています。
そばにいたどんぐりさんがおじいさんをチョンとつつくと、
目をさましたおじいさんが、
「よく来たね。さあ、たきの後ろに行ってごらん。」
「えっ?たきのむこうにいけるの?」
赤ちゃんたちが思いきってたきのうしろにとびこむと、
そこにはふしぎな水たまりがありました。
水の中をのぞきこんだ赤ちゃんたちが見つけたのは、
キラキラかがやく流れ星。
~流れ星をひろってみて~
そんなかわいい声がきこえたような気がして、
フェネックの赤ちゃんカレブが星をつかんだとたん、
「わあ、すごーい!」
星がまいあがり、カレブを空に運んでくれたのです。
「みんなもおいでよ!」
空にはゆめのような魔法のお城がうかんでいました。
お城の中にあった羽をつけてもらうと、ふわふわ、ふわふわ。
「わあ、おそらをとんでるみたい!」
赤ちゃんたちは妖精さんといっしょにとびまわって、
空でおにごっこや、雲のあいだでかくれんぼ。
楽しくて楽しくて大はしゃぎです。
とうとう月にまでとんでいくと、すわってひとやすみ。
そこで、妖精さんがみんなにたずねました。
~星をかがやかせる、まほうの言葉はなーんだ?~
「なにかな?なにかな?」
赤ちゃんたちがくびをかしげて考えても、
なかなか答えが見つからなかったのですが……。
「ようせいさんとなかよしになれてうれしいね。」
カレブがなにげなくつぶやいたとたん、
たくさんの星がキラキラとかがやきはじめました。
そう、星をかがやかせるまほうの言葉は、
「なかよし」なのです。
まだまだあそんでいたいけれど、そろそろ帰る時間みたい。
赤ちゃんたちはミルキーウェイをすべりおりました。
「またね。ようせいさん」
「ずっとずっと、いつまでもなかよしでいようね。」
赤ちゃんたちの言葉に、
星たちもうれしそうにキラキラかがやいています。