ゆめのお家のせっけいず

(きらめく水辺の赤い屋根のお家)

ビスケットクマファミリーに家族がふえて、
新しいお家をたてることになりました。
もちろん、お家のせっけいをするのはお父さんのロイドです。

「さあ、みんな、どんな家がいいかな?」
ロイドは家族みんなをあつめて、せっけいずをひろげました。

「水辺の近くで、きれいなお庭がほしいわ。」
「キッチンをひろーくして、おかしをいっぱい作りたい。」
「本だなをたくさんならべて、みんなと本を読みたいな。」

お母さんのエレナ、男の子のテオ、女の子のモリーが、
つぎつぎと意見を出していくのをきいて、
「うん、うん、いいアイデアだね。」
と、何まいもせっけいずを描いていくロイド。

そして、ロイドが本をひろげて、
いろいろな家のせっけいずをしらべていると、
本の間から一まい、古いせっけいずがでてきました。

「おや? このせっけいずはなんだろう?」

家族のみんなはそのせっけいずをひとめ見たとたん、
「すてき!げんかんポーチや窓がとってもおしゃれね!」
「お家のなかでつりができるの?楽しそう!」
「ウッドデッキからボートにのれるなんて、かっこいい。」
と、たちまちそのお家にむちゅうになったのですが……。

「ところで、これはだれが描いたせっけいず?」
みんなにきかれて、ロイドはやっと思い出しました。

これは、ロイドが初めて描いたせっけいず。

ロイドが建築家になったときの一番のゆめが、
家族みんながしあわせになるお家をたてることだったのです。

「こんなすてきなお家にすみたいわね。」
というエレナに、テオもモリーも大さんせい。
「よし、みんなでさいこうの家をつくろう!」

家族のアイデアをつめこんだせっけいずができあがると、
村のなかまたちが力をあわせて、
水辺にすてきな赤い屋根のお家がかんせいしました!

お家にぴったりのお庭をデザインしたのはエレナです。
まどやかべのレリーフにもお花がいっぱい。

石づくりの塔や川にかかる橋は、家族のお気に入りです。
シャンデリアを見上げて、みつごのあかちゃんもうれしそう。

「そして、この家の一番いいところはね……。」
ロイドが言いかけたとき、
「新しいお家のかんせいおめでとう!」
と、村のなかまたちがやってきました。

広々としたリビングで、みんなで楽しいおしゃべり。

子どもたちは大はしゃぎでつりをしたり、
らせんかいだんをあがった2かいであそんだり。

「そう、新しいお家で一番うれしいのは、
いつもみんながあつまって、えがおがあふれていること!」

みんなのゆめをかなえてくれたお家で
しあわせいっぱいのビスケットクマファミリーでした。

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