ようこそ!ひまわりフェスティバル
ハムスターのお父さんのトビーはとにかく夏が大すき。
いつでも夏を感じていたくて、ひまわりのけんきゅうをつづけていました。
「ついにいいタネを見つけたよ。夏中ずっと大きくてきれいな花がさきつづけて、なによりタネがおいしい!」
それを聞いて、ハムスターのお母さんのペニーも大よろこび。
「すてき。広い所にうえて、いちめんひまわり畑にしたらどう?」
「いいね。夏に村のみんなでひまわりフェスティバルをひらこう。」
楽しいことが大すきなふたりは、さっそくタネをうえる場所をさがしにいくことにしました。
「みんな、おさんぽの時間よ。」
ペニーがみつごの赤ちゃんのアプトンとサムとノラをベビーカーにのせると、おさんぽが大すきなみつごちゃんは大はしゃぎ。
大きなふくろにタネをいっぱいつめて、おべんとうももって、さあ、出発です。
ところが、ふたりはたいへんなことを見のがしていました。
タネをつめこみすぎて、ふくろに小さなあながあいていたのです。
ふたりが歩き出すと、小さなあなからタネがポロポロと道にこぼれおちていきます。
それに気がつかないまま、トビーたちは、村の人にであうと、
「夏にフェスティバルをひらくから、お楽しみに。」
とのんびりおしゃべり。
「お花畑で、みつごちゃんに春のお花を見せてあげたいね。」
「ちょっと川あそびをしよう。」
と、あちらこちらによりみち。
村中まわって、やっと丘の上につきました。
そして、
「けしきも日あたりもさいこうだ。ここにしよう。え? あれれ?」
タネをまこうとしたトビーは、
ふくろの中のタネがあなからこぼれて、すっかり少なくなっているのに気がついたのです。
ざんねんそうに顔をみあわせたトビーとペニーですが、みつごちゃんは楽しいおさんんぽができてとてもうれしそう。
おいしいおべんとうをほっぺたいっぱいにつめこんで大まんぞくです。
トビーとペニーも、みつごちゃんのえがおをみて、にっこり。
「ちょっと小さなひまわりフェスティバルになっちゃうかな?」
と話していたのですが……。
夏、村は今まで見たこともないような大きくてきれいなひまわりでいっぱいになりました!
トビーのふくろからこぼれたタネが村中で大きく育ったのです。
「すてきな夏をありがとう。」
と村のみんなによろこばれて、
「ひまわりフェスティバルにようこそ!」
ひまわりにかこまれてますます夏が大すきになったハムスターファミリーでした。