すてきなショッピング

(ラテネコファミリー)

ラテネコファミリーはとってもおしゃれで楽しい一家です。
お店がならぶ石だたみのマーケットを家族そろって歩くと、
「ラテネコさんの家族はみんなセンスがよくてすてきだね。」
といつも村のみんなにほめられるのです。

お父さんのマテオはショッピングが大すき。

家族でお買いものに行くと、
「きっとこれがよくにあうよ。」
「ちょっときてみたら?」
と、にあうふくを上手にえらんでくれるのです。
紙ぶくろを両手にいっぱいさげて帰るすがたも楽しそう。

ところが、お家に帰ってふくろをあけたお母さんのダニエラが、あることに気がつきました。

「あら、マテオのものがなにもないわ。」
そう、お父さんは家族のよろこぶ顔を見るのがなによりすき。 
だからみんなの物をえらぶのにむちゅうになって、自分には何も買っていなかったのです。
「お父さんにもなにかプレゼントしたいな。」
と女の子のモニカ。
「そうね。手ぶくろはどう?今日、手をつないだときに、とても手がつめたかったの。」 

こうして、お母さんとモニカのサプライズプレゼントさくせんがはじまりました。
「おいしいおかしもいるわね!」
と、はりきってお気に入りのノートをとりだしたモニカ。
食べることが大すきなモニカはおいしいもののしゃしんをたくさんとって、すてきな日記ちょうを作っているのです。

つぎの日、お母さんがお父さんをお買いものにさそいました。 
「たいせつな人にプレゼントしたいから、手ぶくろをえらんでほしいの。」
お母さんがたのむと、
「よし!まかせて!」
お父さんがなやみはじめると、
「あなただったら、どれがいい?」
とお母さんは聞きました。
「ぼくだったら…。」
お父さんはあたたかそうな毛糸の手ぶくろをえらびました。

「ありがとう!きっとよくにあうわ。」
にっこりわらうお母さんを見て、お父さんもうれしそうです。
ふたりが家に帰ると、モニカがパーティーのじゅんび中。
おいしそうにならんだおかしをみて、
「あれ?今日はなんの日だっけ?」
お父さんが首をかしげました。 

「マテオ、いつもありがとう。」
お母さんがあの手ぶくろをわたすと、お父さんはびっくり。

「ぼくのだったのか!ありがとう!さむい日にバイクにのるときにもぴったりだ。」
サプライズは大せいこうです。 
「みんなでしゃしんをとろう。」
モニカはカメラをもってきました。
すてきな手ぶくろをはめたお父さんとみんなのしあわせそうなしゃしんが、モニカのノートにまたひとつふえたのでした。

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