お花とおはなし

(フローラウサギファミリー)

フローラウサギファミリーはお花をあいするやさしい一家。
お父さんのノーランは、お花やハーブを大切にそだてています。
「やあ、今日も元気だね。おいしいハーブティーをいれたいから、葉っぱをすこしもらえるかな?」
とお花に話しかけていて、
「お父さんはお花と話せるみたい。」
とみんな感心してしまうほど。

女の子のアリスはしょくぶつずかんがお気に入りです。
ふだんはのんびりやさんなのに、お花の話になると早口になって、もうとまりません。
みつごの赤ちゃんのタイム、セージ、ローズマリーの前に大きなずかんをひろげて、
「これは高い山にさくお花で、育て方は秋にたねをうえて…。」
大すきなお花のことを教えてあげたくて、ついむちゅうになってしまうのです。

でも、早いせつめいについていけないみつごちゃんたちは、すぐにあくびをはじめて、うとうといねむり。
「お話がつまらなかったかな?」
アリスはずかんをとじて、しょんぼりしてしまいました。


そのようすを見ていたお母さんのアリアは、アリスをやさしくなぐさめて
「そんなことないわ。だいじょうぶ。赤ちゃんたちにお花をすきになってほしいのよね?だったら私にいいアイデアがあるの。」
と、にっこり。
ほいくえんの先生をしているお母さんは、小さな赤ちゃんたちを楽しませることがとくいなのです。

「さあ、みんなでお花畑におさんぽに行きましょう。」
お花畑につくと、お父さんはさっそくいつものようにお花に話しかけました。
「やあ。いい天気だね。」
すると、
「お花畑にようこそ。」
とお花たちが答えたのです。
そう、これがお母さんのアイデア。

じつは、お花のうしろにかくれてこっそり声を出しているのはアリス。
でもみつごちゃんたちは本当にお花が答えたと思ってびっくりです。
「きみたちはどこから来たの?」
お父さんがきくと、
「秋に、タネになって風にのってとんできたの。みんな、お友だちになってね。」
楽しい会話にみつごちゃんたちは声をあげて大よろこび。

「3にんとも、ますますお花がすきになったみたいね。」
とお母さん。
「これからもお花のことをいろいろ教えてあげるね。」
アリスもはりきっています。
楽しいお花畑のおさんぽは、フローラウサギファミリーのいちばんのお気に入りのおでかけになりました。

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