すなの国のぼうけん

(フェネックのふたごちゃん)

ロッコとタラはフェネックのふたごの赤ちゃん。
やさしいお姉ちゃんのジャスミン、赤ちゃんのユリー、カレブといつもなかよくあそんでいます。
すな場あそびがすきなロッコは、カレブとすなで山やおしろを作るのがお気に入り。
山にトンネルを作ったり、おしろのまわりにかべをめぐらせたり。
すなだらけになって、ジャスミンをこまらせるほど、むちゅうになってあそんでいます。

ところが、タラのすきなあそびは、すなの中にかくしたおもちゃを見つける『たからさがし』。
ロッコが作った山やおしろをつぎつぎとくずしてしまいました。
「たからさがしするの!」
「おやまをこわさないで!」
とうとうふたりでけんかをはじめて、ここでもジャスミンをこまらせています。
「すなで作るのがすきなロッコと、くずすのがすきなタラ。どうすればいっしょに楽しめるかしら?」
ジャスミンはサンドアーティストのお父さんともそうだんして、やがて、すてきなあそびを思いつきました。

つぎの日、お父さんがロッコやカレブといっしょにすな場いっぱいに作ったのはまるで本物のようなおしろや村。
それから、ジャスミンはすな場の前で、ロッコとタラに自分が作った物語を話しはじめました。
ジャスミンはお話がじょうずなのです。

「ここはふしぎなすなの国です。あなたたちはゆうかんなたんけんたい。さあ、ぼうけんのはじまりです。お山にかくしてあるひみつのどうぐを見つけたら、お話のつづきにすすめるよ。」
「わあい、たからさがし!」
ロッコとタラはたちまち夢中になってすなの山をさがしはじめ、ジャスミンがかくしていた光るスプーンをみつけました。
「あった!ひみつのどうぐ!」
「スプーンをみつけたふたりはまほうがつかえるようになって、たからもののねむるおしろにむかいました。」
とジャスミンはお話をつづけます。
「やったー。まほうでさがそう!」
すっかり物語に夢中のロッコとタラ。

それからもふたりは毎日いっしょにすな場で山やおしろを作って、
「たからさがしのおはなしして。」
とジャスミンに物語をおねだりします。
「今日はようせいさんがなくしたステッキをさがすお話よ。」
すな場では毎日すてきなぼうけんがくりひろげられるのでした。

商品ページへ
HOME おはなし一覧