ふたごちゃんのすてきな街

ペルシャネコのふたごちゃんは、なかよしの女の子と男の子。
でも、せいかくはちがいます。

女の子の赤ちゃんは、かぐやたてものにきょうみしんしん。
かぐのもようやちょうこくが大すきで、ちょうこくのでこぼこをさわってにこにこごきげんです。
今はきれいなたてものがならぶタウンのしゃしんがお気に入り。

もうひとりの男の子の赤ちゃんはとてもかっぱつで、少しの間もじっとしていません。
お気に入りの手おし車になんでものせて、あちらこちらと動きまわるのが大すき。
ごきげんでかぐをさわっている女の子の赤ちゃんをごういんに手おし車にのせて、動き出してしまうこともしょっちゅうです。

そんなある日、家族のみんながふたごちゃんにつみ木をプレゼントしました。
「わあい、わあい。」
と、いろいろな形をさわってよろこぶ女の子の赤ちゃん。

男の子の赤ちゃんはさっそく手おし車につみ木をのせて、あちらからこちらへと、楽しそうに運びはじめました。

ばらばらにあそびはじめたふたごちゃんを見て、
「いっしょにあそんだら？」
と、家族のみんながすすめたのですが、ふたごちゃんはそれぞれのあそび方にむちゅうです。

「すきなことがちがうから、しかたないね。」
と、みんなはちょっとざんねんそう。

ところが、しばらくすると、男の子の赤ちゃんがはこんできたつみ木を、女の子の赤ちゃんが手にとってならべはじめました。
きれいにならんだつみ木をみて、ふたりはうれしそうににっこり。

それがどんどんおもしろくなってきて、男の子の赤ちゃんは、つみ木やおもちゃつぎつぎと手おし車にのせてはこんできます。

それを、女の子の赤ちゃんがならべていって、やがて、お部屋はまるでたてもののたちならぶ街のようになりました。

さいごに、男の子の赤ちゃんが女の子の赤ちゃんを手おし車にのせて、ならべたつみ木の間をぐるぐると行ったり、来たり。
ふたりはもう楽しくてたまりません。

そんな二人を見て、
「ふたごちゃんの街ができたね。」
と、家族のみんなもにっこり。

やがて、このお部屋は村の赤ちゃんたちにも人気の場所になって、みんながあそびにくるようになりました。
大すきなあそびとたくさんのお友だちにかこまれて、ふたごちゃんはますます元気いっぱいです。