お父さんにおまかせ!

(赤い屋根の大きなお家)

おしゃれなインテリアの本を見ていた、
ショコラウサギさんの一家。

「わあ、すてき。
わたしもこんなすてきなソファーセットがほしいな。」

そんなショコラウサギちゃんのことばをきいたお父さんが、
「よし、ぼくにまかせて!」

新しいかぐを作ってくれることになりました。

「やったー!」
みんながよろこぶと、
「じゃあ、いっしょにテレビ台も作ろう!」
と、ますますはりきったお父さん。

お父さんはかぞくのよろこぶ顔を見るのが
なによりも好きなのです。

子どもたちもてつだって、
おにわでかぐ作りがはじまりました。

「さあ、できたぞ!」
やがて、すてきなかぐができあがり、
みんな大よろこびです。

「お父さん、ありがとう!」

「これならおへやのふんいきにも
ぴったりだね。」

さっそくかぐをおへやの中にはこびこんだのですが……。

「あれれ、おかしいな。」

お父さんがちゃんとサイズをはかって作ったはずなのに、
テレビ台のドアがはずれてしまったり、
テーブルのあしがすぐにおれてしまったり。

じつは、お父さんは、
ちょっとそそっかしいところがあるのです。

「せっかくお父さんが作ってくれたのに……。」

子どもたちがこまっていると、
「だいじょうぶ。わたしにまかせて。」
と、こんどはお母さんがにっこりわらって言いました。

お母さんは古いものをなおしたり、
こわれたものをしゅうりするのが大のとくい。

「お父さんにはないしょよ。」
と言いながら、
こわれたかぐをぶじに直してくれたのです。

こうして、新しいかぐにかこまれたリビングに
あつまったショコラウサギさん一家。

おしゃれなインテリアにみんな大まんぞくです。

「またこんど、新しいかぐを作ってあげようね。」
お父さんのことばに、みんなちょっとわらってしまいました。

そして、こんなすてきなかぞくとお家が大すきなことに、
もういちど気づいたショコラウサギちゃんたちなのでした。

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