大空のおさんぽ

(空のぼうけん飛行船)

シルバニア村のみんなでしおかぜ岬にあそびに来ていたときのことです。
ある日、ショコラウサギの女の子とショコラウサギの赤ちゃんが、ぼうけん島の岩場でけがをしている青い小鳥を見つけました。
海がんのがけの上には高い木がはえていて、どうやらそこにある巣からおちたようです。
「手あてをしてあげようね。」
ショコラウサギちゃんたちはすぐに小鳥を家につれて帰りました。
そして、いっしょうけんめいきずの手あてをしたおかげで、小鳥は少しずつ元気になっていったのです。
毎日毎日、しんぱいそうにかごの中をのぞきこんでいた赤ちゃんも大よろこび。
すっかり小鳥となかよしになって、小鳥のさえずる声にあわせて楽しそうに歌をうたっていました。
「よかったね。赤ちゃん。」
ショコラウサギちゃんもひと安心です。

「もうだいじょうぶ。そろそろ小鳥さんをお家にかえしてあげたほうがいいね。」
でも、赤ちゃんは、
「ことりさんをかえさないで!」
と言うし、なによりがけの上の木にある小鳥の巣に、だれも近づくことができません。
こまったショコラウサギちゃんはなにかいいほうほうがないか、村いちばんのはつめい家のくるみリスのお父さんにそうだんに行きました。

ショコラウサギちゃんの話をきいて、
「高いところにある鳥の巣か……。」
と考えこんでいたくるみリスさん。
空を見あげて、いいことを思いつきました。
「そうだ!あれを作ってみよう!」
そして、くるみリスさんがなにかをいっしょうけんめい作っているという話はすぐにひろまって、子どもたちも毎日ワクワクしながら、くるみリスさんのしごと場をのぞきに行っていたのですが……。

やがて、できあがったのは大きなふうせんのようなものがついている、今まで見たことのないようなすてきなのりものでした。
「これは飛行船だよ。これで空をとんで、小鳥を巣にかえしてあげて。」
「ありがとう!くるみリスさん!」
ショコラウサギちゃんとお父さんと赤ちゃんがのりこんで、さあ、しゅっぱつ。
みんながドキドキ見まもるなか、飛行船はふわりとうきあがりました。
「やったー!大せいこうだ!」

「いってきまーす!」
飛行船はどんどん高さをあげると、お家のやねや灯台を下にみながら、大空をとんでいきます。
「わあ、すごい!」
「ゆめみたい!」
ショコラウサギちゃんと赤ちゃんはけしきを見わたして大はしゃぎです。
「赤ちゃん、小鳥さんもお空をとぶのが大すきよ。だから、巣にかえしてあげようね。」

ショコラウサギちゃんのことばに、大きくうなずいた赤ちゃん。
ショコラウサギちゃんが鳥かごのとびらを開くと、小鳥は元気よく空へとびだしました。
そして、飛行船のとなりをうれしそうにとびはじめたのです。
「小鳥さん、ぼうけん島まできょうそうね!」 
と、ショコラウサギちゃん。
飛行船のおかげでしおかぜ岬に楽しい空のさんぽがたんじょうしました。

HOME おはなし一覧